水玉

ちょっと前に草間彌生が何か文化的な賞を受けていて
スティーブ・ライヒも受けていたやつね
へー、そうかー、とそのちょっと後に放送された特集番組見てたんだけど
草間彌生って嫌いでもなくてちょっと好きくらいの
そんなこと言い出すと大抵の芸術作品は全部それなんだろうけど
で、まあ、水玉ばっかりでバカだなあと、でも好きだなあ、くらいの考えを
番組見るならもうちょっと掘り下げて考えてみよう、と
自分の中で水玉の意味っていうのを思い描く時間ってのがあって
水玉は穴のようであるから穴があったら入りたいの穴なのかなあ
けれど白いから何か気泡のようでもあって生まれ出る何かなのかなあ
いやいや両方に見えるから「出る」と「入る」のアンビバレンツなものが
共生するという意味ですばらしいのではないのかなあ
と一応答えみたいなのを出してそれで番組に臨んだんだけれども、
草間彌生って幼少期、それこそ7歳とかからデッサンに水玉が入っていて
それはお母さんを描いた絵だったんだけど鉛筆画に黒い丸がびっしりで
レポーターの人も
「わあ、こんな小さいころから水玉が!?」
って驚いていて、おう、そうそう俺も同じ思いだわい、と草間彌生の返答を楽しみにしてたら
「そうなの、この頃が一番、幻覚がひどくて…」
って
幻覚なんだってさ!
ぎゃふん!


天才バカボン』をちょっと集めようかと買い始めてめんどくさくなって
置いてあった一番最後のやつ(十八巻)買ってきたんだけど
これってすごいアバンギャルドなんだな、びっくりした。
第1巻はハジメちゃんが生まれて初めて言葉を発した話とか、
ものすごいあったかい上にナンセンスギャグがあっていい漫画なんだけど
十八巻はハジメちゃんなんて一回も出てこなくて
とりあえず第一話を紹介すると第1コマが
「この一編を手ヅカブト治虫先生に捧ぐ」といういい出だしで
一体どんなオマージュなのかと期待していたら
バカボン(息子のほうね)の学友に
「たたえよ!鉄カブト!」
としか言わない奴がいて、
そいつがずっと「たたえよ!鉄カブト!」って言いまくる話で
全然何がおもしろいのかわからんというアバンギャルドさ、
でも今考えれば手塚治虫礼賛が行き過ぎている風潮を揶揄ってる
という見方もできるのかと気づいたけれど
そんな裏をとるみたいな見方はしたくないので
くそアバンギャルドな赤塚先生大好っきです!


天才バカボン (18) (竹書房文庫)

天才バカボン (18) (竹書房文庫)

この十八巻を一つ一つ紹介していくだけのブログにしようかしらん。
とりあえず久しぶりに声出して笑う1冊だったのはたしか。