ボデー。パン。

おなかが痛いのが治って今日はあたまが痛い。
なんだかわがままな感じだ。


このわがままなボデーを持て余しながら夏が来る。


夏だろうが梅雨だろうがパンは相変わらずうまい。
特にパン屋のパンはなんでもうまいのでよく買いに行く。
(書いててびっくりするほど頭の悪い一文だ)


近所にあるアンパンマンのパン屋では
おそろしく腰の低いおばあさんがレジをやっていて、
誰も顔が見たことがないくらい腰が曲がったばばあなんだが、
今日に限ってはおっさんがレジをやっていた。


先にレジに並んでいた若いお母さんのベビーカーから赤ちゃんが泣いた。
「かわいいね。でも大変でしょう。」とおっさんが言うと
へへへまあまあとお母さんが相槌を打ったか打たなかったか。
「今が一番大変だけど今が一番幸せなときなんだよ。そういうもんだよ。」


早い。あまりにも早い。
2言目に人生訓が出た。
後ろにいてびっくりした。


そうなんですか、そういうもんなんでしょうね、とお母さんもうれしそうで、
そうだよ一番大変だけどかわいいもんねうちの子だってさもう大きくなったけど、とか
その後はプライベートを明かし始めて一気に距離が縮まっていった。


早いなあ。
人間のふところに入るのがうまいなあとかではなく
ただただ単純に、早いなあという思いだった。


今の早かったよなあと思いながらおれも会計をしようとして
運が悪く一万円しか持ち合わせていなかったので
すいません、これで、と申し訳なくすすすと出したのだが


いいの?一万円は崩れるとあっという間になくなっちゃうよ?


早い。
また早いのだ。
またいきなり人生における真理を出してきた。
いやあ、早い。
早いとしか言いようがない。


そうですよねえ、としか言いようがないのだが
ほんとそうよ、この前もさ、専門学校生がさ、あ、うちは専門学校にもパンおろしてるんだけどね、
とこれまたパン屋情報がすぐに出てきてさっきのお母さんと同じ展開でびっくりした。


うちの街には早いパン屋がある。
早いパン屋のパンは今日もうまい。