あつっ、あ、罰金払わなくちゃ!

どろどろに暑いうえによく眠るからもうどろどろだ。
どろりぃぃぃん。
でろんりぇぃぃん。


2軒隣のおばあちゃんを見た。
この季節に見るとおばけのよう。
こわい。


公園のケヤキ並木はセミがぎっしり詰まっていて
360°全方位からシャー!ジョンワー!とすごい音がする。
ほぼメルツバウ級のハーシュ系ノイズミュージック。
嫌いでないので、立体音響のノイズを楽しみに通る。


夏とノイズは合うな、あ、セミだからか、
と当たり前のことを考えながらモスバーガーで飯を食ってると
喫煙室にはセミが紛れ込んでいて
おれの向かいのイスにひゅっと止まった。
相席よろしいですか?
とか何の断りもなく相席できるのはセミだからか。


セミを前に文庫本を読む。
この季節の文庫読みは学生の宿題のようで心地良いのか悪いのか。
夏は文庫、とはそうだろうが、良いのか悪いのかわかんない。
しかし学生時に宿題として読んだような昔の小説も
今読むのが圧倒的に面白い。
けっこう適当なことが書かれているので
ゲラゲラ笑いながら読んでいる。
今日読んだのは、遊郭で肥った女に入れあげた後に
再び町で肥った女を見かけ、呼び止められたが思わず逃げた、
そんな話だった。
タイトルを「肥った女」という。
ひどいな。


ふと本から顔をあげるとセミがいる。
セミは意外とじっとしている。
デート中彼氏が私を待たせてパチンコに行く女
というのが知り合いにいるが、
意外とセミはそっち系なのかもしれない。


いや、やはりハーシュ系ノイズか。