「さあ今から手食べ弁当を配るだで。」
林さんが言った。
「おめえさんたちのフォークも箸も回収するだでよ。」
シンスケ店長が言った。
「おらたちがその様子をじっくり見るだ。」
住さんが言った。
ぼくはカメラを手に持っていたけどカメラは見えなくて
でもぼくの手はカメラを見ていて、ぼくはぼくの手を見ることができた。
「さあさ食うだ食うだ。」林さんが言った。
「早く手で食うだで。」シンスケ店長が言った。
「思うまま汚れるだでよ。」住さんが言った。
それからみんなの音を聞くことができ、
手食の音を聞くことができ、ぼくはにおいをかぐことができた。


ということで、昨日はチャーチャーの手食べイベントに行ってきたのだが、
ようやく最近になって本を読めるようになったので
(時間的な話でなく気が向くようになった)
最近見た「松ケ根乱射事件」という映画がおもしろく、
ブログで評判を探っていたら「フォークナーっぽい」という話だったので
図書館で「響きと怒り」という本を借りてきてちびちび読んでいたら
白痴の子供が回想をぐっじゃぐじゃに語っていて、
これがまたおもしろくてうれしくなって文体をまねてみてうれしがってみた。
ちなみに上記の住さん林さんシンスケ店長は全て黒人である。


文中に「青歯ぐき」という人物が登場する。
黒人の民間伝承の呪術師なんだそうだが、
特徴が青い歯ぐきというのがショッキングだった。
そんなのどうやっても思いつかないぞ。
ちなみに青歯ぐきは、
月夜の晩に腹ボテの女が青歯ぐきの目を見て、
青歯ぐきの子供を10人宿してしまい、
その子供たちが青歯ぐきを食ってしまう、というラストを迎え
設定からエピソードまで全てが悲惨なキャラクターだった。


工藤さんと外で、
あの赤ランプはなんのためなんでしょうかねえ、
と観覧車を見ながら話していたら
多分60m以上の高さの建物には必要なんで観覧車にもつけてるんでしょう、
詳しくは明日の記事を見てください、あの赤色灯についての記事なんです、
というので今日その記事を見てみたら
そんな詳しいことは書かれてなくて
その代わりにひっくり返るような思いもつかない結論になってて笑った。
ミクシィのコミュニティでは、
気持ち悪い、生理的に受け付けない、ぼかしを入れろ、と紛糾していて
人の顔についてよくそんなこと言えるなとこれも笑った。
全部ひっくるめてあの人は大笑いしてるんじゃないだろうか。


遅くまで飲んだのでぬすかーくんの家に泊まったら
ぬすかーくんの夢を見たので起きて笑ってしまった。
起きてから、二日酔いの調子はどうだ?と聞いてみると、
案外良いよ、と答えるので、
記憶はどうなんだい?と聞くと
ああ、ないない、とさも当たり前のように軽く答えるので
記憶ってもっと大事で重要なものなんじゃないかと思って、
この人はバカなんじゃないだろうか、とさえ思った。