ウォシュレットに行きたい。
突然そんな思いにとらわれて駅前のマクドナルドに行く。


行ったら行ったでトイレのことも忘れてボーっとコーヒーを飲む。
隣に5才くらいの男の子が座る。
その前にはお母さんが座る。
お母さんが食べるものを注文しに行くようだ。
「メモ帳で遊んでなさい。」と言い残して席を立つ。
寂しさに鼻がツンとする。
「お絵描き」じゃなくて「メモ帳で遊ぶ」なのだ。
この寂しさは何だろう。
「お湯でも飲んでなさい」とか「棒でも磨いてなさい」でも寂しい。


「穴でも掘ってなさい。」
これも寂しい。


コツが分かってきた。
お金と無縁そうだがありふれてよく役立つものを指定すると寂しくなる。
「綿棒でもほぐしてなさい。」
ほらね。


メモ帳で遊ぶっていってもやっぱりお絵描きなのかしらん?
デイリーのネタでも考えて書き付けたりしてるのかしらん?
と男の子を見るとじっとおれの顔を見ていた。
こちらの視線に気づくと目をそらす。
その後も何度も見てくる5歳児。


似顔絵だ。
似顔絵コーナーが始まったのだ。
似顔絵を描いてもらう経験というのは人生においてそうあるもんでもない。
以前荻原さんにドット絵で描いてもらったことがあるが
100ピクセルにも満たないその画像は普通にうれしかった。
似顔絵は基本的にうれしいものなのだ。


さて、どんな絵ができたかな、と
5歳児のメモ帳をちらっと見るとそこには
ティラノサウルス」と銘打った恐竜の絵があった。