出来事がいろいろすぎる。
感情の針がふれまくる。
ああ、この家、盗聴されてますね。
その計器はおれだ。


奇譚を聞く。


友人の父親の会社にいる若手社員が失踪したのだという。
2日ほど経って箕面の山で発見されたらしい。


「そんなんもあるんやねえ。」
「せやろ、そんな話聞いたら色々探りたくなるもんやんか。」
「忙しかったんやろか。」
「そんな感じやない、いう話やったんやけどさ、失踪前の週末よ。」
「そこらへんはもう分かってるんや。」
「なんでも、その若手の人は週末に広島におったらしい。」
「会社は大阪やろう?」
「そうそう、でさ、何で広島におったか、というのがな」
「彼女とか?」
「バレーボールや、いう話やねん。」


「バレーボール…まさか!?」
「そのまさかや。」


川合俊一である。
川合俊一が日本地図すごろくさながら、
広島にいる若手社員をつまみあげ、ビューん。と、大阪に戻そうとしたときに、
誤って箕面に落としてしまったのだ。


感情の起伏の狭間には、こういう話を詰めてきた。