田舎の駅。
改札の前に売店
階段を降りるとタクシーが数台。
ロータリーに喫茶店が一軒。
国道に出るまでにもう一軒。
あとは何もなし。


電車が来るまで30分あるという。
階段で座って待っている。
もよおしてもないのにトイレに行く。
先ほど30分あると教えてくれた売店のおばちゃんと
暇そうにしてたタクシーの運転手が喋っている。


「今日はいい天気やねえ」
「明日は雨が降る言うちょったけどねえ」
と天気の話をしている。


トイレに行って用を足して外に出る。
今度はタクシーの運転手しかいない。
おばさんが女性用トイレから出てきた。
タクシー運転手が驚いている。


「あんた、そんな、おしっこ3秒くらいしかしねえんじゃ?」
「あら知らんかった?あたし、おしっこ3秒くらいなんよ」
「おしっこ3秒?3秒?あんた3秒って」
「そうよお、あたしいつもおしっこ3秒くらいなんよ。お風呂なんか5分やし」
「かーっ」


こんもり晴れた日で山にはもももと雑多な木のにぎわい、
田舎と言われているところは恐ろしいなと思いながらも
とてつもない平和感で
とにかく何だかよくわからなくなった。