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不動産屋の車に乗って知らない街に。
運転している不動産屋のお兄さんが
つい最近この街に住んでいる彼女にフラれたと神妙な面持ち。
角を曲がるたびに
ああ…ここの…
ああ…このすし屋…
と悲しいなげきがポッともれていた。
すごい湿度の部屋を紹介されて驚いた。
こんなダメな部屋に住んだらおもしろいだろうなと悩んでやめた。
まだ現実に未練があった。
帰りの車中では除湿機の効果とコストについて話し込む。
そんな部屋だめだろう。と帰ってきてから思った。
ハヤシライスを数年ぶりに食べる。
実家から一番アクセスのよいデパートは上本町にあって
母が上本町に行くたびに何かいいものを買ってきてくれた。
サンマルコのハヤシライス、551の豚まん、くくるのたこ焼き、
全て都会の食べ物というイメージだった。
(今考えるとアーバンとはほど遠いです)
今日ハヤシライス食ったらまずかった。
なんで食べてなかったのかも思い出した。
隣の席では女子大生が今インスタントラーメンにはまっている、と話し込んでいる。
サッポロ一番は、一番だ。
というようなことをその人が言うと
すげえ!やっぱり一番なんだ!
と、向かいに座る女子大生が。
チキンラーメンはチャラいとも言っていた。
それは全然わかんなかったけど何かかっこよかった二人。