とてもだめな気分だったが
富士そばでカレーそばを食べたらうまくて忘れた。
そういえば晩ご飯を食べていなかった。
おなかが空いていただけだったのだ。


夜10時、駒沢大学駅前の交差点でだめそうな自転車を見る。
だめな自転車だと思ったそれは
自転車にだめなサラリーマンが乗っていた。
くたびれた犬のような顔に汗で下に着たTシャツの謎のロゴがすけたシャツ。
信号待ちをしていたサラリーマンは自転車のベルを突然鳴らした。
そして続けざまにもう一度鳴らした。
シャツが引っかかって、など過失でなくこの人は故意に鳴らしている。
チリンチリン、という音が蚊のなくような小さな音で、
前方には何も鳴らす要因などはなく、
「ただ鳴らす」ために鳴らしたチリンだった。


だめがたたってただ鐘鳴らす。
それがなんだか可笑しくて噴出してしまった。