大塚くんのケツをもむのが好きだ。


帰省中ひさしぶりに大塚くんと飲んで会計済まして
さあ次どこ行きましょかねえ、というぬるっとした時間、
そこに隙があったような気がして、
いや、隙があったのは大塚くんにではなくて時間のほうに、
ブラックホールみたいな穴があったような気がして
何かを埋めなければという思いでいるとハッと。
ケツをもめ、と。
天啓が。


ここだ!とばかりに大塚くんのケツをもむ。
わしわし、わしわしもむ。
どっどど、どどうど、どどうど、どうどう、ともむ。
ケツを、ケツをもむ。


こったケツをほぐすようにもむ。
父上の仇、とばかりにばっさりもむ。
もむ、もむ、ケツをもむ。
おれはケツをもむ。


ストライカーのようでいてゲームメイカーのようにもむ。
ゴールを狙うことがゲームを支配することに他ならないのだ。
マスター・オブ・おケツ。
おれは10億円プレイヤーだ。


もみもみ内面描写はもういいとして、
なぜおれは大塚くんのケツをもむのか。
正確には酔った大塚くんのケツをなぜもむのか。


大塚くんはケツをもまれると「アッ!」と驚く。
そして無抵抗のガンジー主義を貫き通したまま
「アア!アア!」ともみに小さく反応しつづける。
セクシャルな快感を感じているわけではなく、
ただもまれていることへの驚きを小さく口にだしつづける。
それでいて目が寝ている。
「アルコールですっかりやられちまってるのさ。」
エスタン気分でもんでるおれに教えてやる。


「ウン。」
大塚くんはケツをもまれつづけると、何かに納得したような声を出す。
上がりである。
一丁上がりである。


と思うのはまだ早い。
納得した大塚くんをさらにもみつづけていると
「ウン?」
再び何かふに落ちないという声を出す。
だからおれはもんでやる。
これでもか、これでもか、とたたみかけるのではなくて、
こうだからこうなってこうだろう、と論理的にもんでやる。
そしてまた「ウン。」と。
そしてまた「ウン?」と。


おれはケツをもんでいるようでいて、実のところ会話をしている。
酒蔵で麹を仕込んでいる男のそれのように、芳醇で饒舌な会話をしているのだ。



適当に書いてすいません。