これもう断酒じゃないな。そう思った瞬間から、日記から足が遠のいていた。


月曜日は飲まなかった。取材相手が漫才師の方六名で、六名集えばほんとに即席座組みトークが始まった。となると司会者役は誰かというとインタビュアーの自分。この番組、視聴率とれなさそうだな、と悩みながらインタビュー終了。夜は一人で遅い飯だったので盗み飲みもできず。


月曜日……飲まず


そういえば、飲まなくなって(飲んでるけど)思い出しアー!の頻度が減った。思い出しアーというのは、恥ずかしい過去を思い出してアー!と一人で叫んでしまう時間のこと。


火曜日は盗み飲んだ。妻の晩酌のビールを公然と奪いとって飲んだ。二口。これからの季節、ビールはどんどんおいしくなっていくな。下高井戸シネマで『預言者』を見た。刑務所内の権力闘争もの、必然おもしろい。刑務所内の作業服が自分の服にものすごく似ていた。僕はあれかっこいいなと思って着ているが、向こうでは罪人みたいだなと思われるのだろうか。もちろん日本でも罪人みたいに見られてる可能性はある。


映画内で一人っ子の家庭の父親が死ぬ場面を見て、自分と重ねあわせて見てしまった。帰り道、夕日が出ていてあ〜でもおれ人生の半分くらい生きたのかもしれんし死んでも文句言えんな〜と思っていたところ後ろから「お父さ〜ん!」と帰宅途中の娘が声をかけてきた。おれもう人生の半分くらい生きたんだよな、と妻に言ったら無視された。


火曜日……ビール2口


水曜日は保育園の懇親会があり、それ自体はただカレーだけを食べる会だったが、部屋が非常に蒸し暑く、家に帰ってビールを4分の1缶くらい飲んだ。暑いときのビールは本当にうまい。となると火が点いてしまって、さあ飲むぞ、飲むぞ飲むぞ、とリミッターを解除。解除したのはいいものの、体がもう飲めないのはちょっとわかっているので、相変わらず妻の日本酒を盗み飲むスタイルでいく。盗み飲みだとやっぱり足らず、冷凍庫にあったチェッロ(妻の周囲で自作チェッロが流行っている)を炭酸で割って飲んだ。甘ったるみを楽しむ酒をさわやかに炭酸で割ったところでうまくはないが、自分のコップで飲んだので、飲んでるなという意識は高まった。


この日の朝、保育園で5才の男の子が2才の娘を楽しませるために目の前で「落とし穴に落ちるところ」の形態模写をやってくれた。うひゃ〜、ばーん!と大声出してひっくり返って、まだやるのか、おい、まだやるのか、おい!おい!と数えていたら19回もやった。やつらは底が知れない。


水曜日……ビール80ml、日本酒40ml、チェッロ、20ml程度(適当)