なぜこういう状況になったのかはわからないが
しもだかげきの本を読んでいた。(変換するのも面倒でした)


高校の先生が教科書に載っていた中原中也の顔写真を指して
「こんなもんな、目に白いの塗ってんのや!」
と吐き捨てるように言っていた。


少しでも映りをよくして
少年少女が詩を読むときに作者もハンサム〜。イヤ〜ン。にさせるためだそうだ。
なるほどな、と今になって思った。


あのしもだファッションに身を包んだかげき先生が
テープレコーダーを口元1センチの距離に置き
なまめかしく口述筆記する姿(そういう執筆風景をテレビで見たのです)を
脳裏に浮かべてしまう読書体験だった。


時代物だったが、「信長」を口述筆記するしもだ先生。
「家康」も「秀吉」もピンクのタイツに紫の頭、あのいやらしいテレコから。
ぜんぶ台無しだった。


ただしもだ先生の文章は自分を小説家になれるのではないかと感じさせる何かがある。
例えば爆発物の描写である。
しもだ先生の爆発物の描写はこうだ。


ドカーン!


いける。これなら書ける。おれも小説家になれる。
全国に小説家予備軍は一万人はくだらないと言われているが
そのような土壌はしもだ先生がせっせせっせと耕してくれたからではないだろうか。


おれもドカーン!と爆弾を書いてみよう。
いや、それだとしもだは超えられない、いっそのこと工夫をしてみてはどうだろうか。
ドーン!
どうだろうか。よりシンプルな表現がより多くの人の心をつかむのでないか。
ズドーン!
これだ、ズで沈ませてドーン!だ、これで文壇に殴り込みだ、文壇バーに傘持って襲


タカタッタータカタッターズータカタカタカタカタッター


む…マーチングバンドや!
そんな不埒なことを考えていると家のそばをマーチングバンドが。
着の身着のままつっかけ履いて外に出るとお隣のおばあさんも。


日曜日、午後三時。
平和だが天候悪し。