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小さな女の子が生まれてアパートの隣の家の人に挨拶に行ったり
二階の人に声をかけられたりして少しずつご近所付き合いが増えてくる。
阿部のおばあちゃん、原さん、こうめちゃん、二階の佐藤さん、佐藤さんちの女の子、二階のおばあちゃん、
うちの大きい女の人と小さい女の子、
夕方ころに誰かと誰かが外で話している声が聞こえてくると、
集合住宅というのは女のものなんだなあという気がしてくる。
曲者なのは二階のおばあちゃんで、自己卑下がひどい。
家の小さな女の子を連れてるときにそのおばあさんに出くわすと
「覚えてるかしら〜?足の悪いおばあちゃんよ〜」と娘に語りかけてくる。
「あなたはいいわね〜、先の人生がまだまだあって何でもできて。
私は足が悪いからもう終わりよ、なんにも楽しいことないの。」
「かわいい、こんな私に笑ってくれるの?
おばちゃんなんか渋谷駅で突き飛ばされてこんなに足が悪くなっちゃって、もう真っ暗よ。」
そんな風に自己卑下とかわいい!を連発してくる。
上がってんの?下がってんの?はっきりしてほしい人だ。
もちろん、こっちは下がってんのである。